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その1 テントを張る その2 料理をする その3 火をおこす その4 物を運ぶ
自然に楽しむ DIY的キャンプ

DIY的キャンプ その1 テントを張る

自然暮らしを構成する重要な要素を衣食住遊とするなら、住に相当するのがテントである。
寒さや暑さなどから身を守ってくれるテントで生活すると、様々なことを感じるはずだ。

物を持たないライフスタイル テントにはその原点がある

キャンプそのものが目的になってしまうと、ストレス解消や息抜きのためのレクリエーションになってしまいがちだ。しかし、普段都会暮らしをしている人にとってのキャンプは、短期間の自然暮らし体験である。レクリエーションとして非日常を体験するのではなく、積極的に自然体験をし、本当の自然と接するための手段としての野営をキャンプと呼ぶことにしたい。そのキャンプを行う上で、最も重要なのがテントである。もともと人間には家を建てたいという本能があるはずだ。しかし、普通の人なら家を一から建てるのは難しく、その代替となる行為がテントを張るということではないだろうか。だから、テントを張る際には、日の当たり具合や、リビング・ダイニングに相当するタープの位置、風向きなどを考えながら、家を建てるつもりで取り組むと良い。私はこれまでにマイナス40℃のアラスカやプラス40℃の無人島など、さまざまな場所でキャンプを行ってきたが、過酷な環境の中でもテントさえあれば過ごすことができる。そんな体験をすると、人間が生活していくにはテントだけで良いのではないかと思えてくる。本当は不要な物ばかりの家で暮らしていると、特にそう感じるのだ。また、キャンプでのテントの設営や撤収は引っ越しのようなもの。キャンプを何度も体験していると、生活するために最低限必要なものは何なのかを再発見することができるのである。テントには、物を持たないというライフスタイルの原点があるのではないだろうか。

DIY的キャンプ「テントを張る」の商品は くらしのeショップ楽天店 DIY的キャンプ「テントを張る」の商品は くらしのeショップヤフー店

DIY的キャンプ その2 料理をする

自然の中で料理を作る前に知って欲しいことがある。
それは、健康のための正しい食生活だ。
栄養を取りすぎている現代人は、まずは食事のスタイルから変える必要があるだろう。

空腹は一番の調味料 お腹がすいたら食事をする

お腹がすいていないのに習慣だから食べてしまう。現代人は栄養の取りすぎで健康を害していないだろうか。1日3食をきちんと食べすぎて、空腹を感じる時間が少なくなっていないだろうか。そんな状態では何を食べてもおいしくないはずなのに、無理やりおいしく食べるために、料理の味付けを濃くしたり刺激になるものを使ったりしているのだ。
生物にはオートファジーという機能が備わっていて、簡単に説明すると、食べ物が外から入ってこない時などに、自分の体の栄養素を自分で食べてエネルギーに変える能力のことだそうである、その際に、コレステロールなどの体が必要としないものから最初に食べてくれる。だから、オートファジーが働くと健康になれるそうなのだが、食べすぎている現代人はこの機能がなかなか働かないらしい。
自然暮らしでの食とは、自然の中で、自然な食べ物を、お腹がすいた時に必要な分だけ食べること。お腹がすいていない時は体を動かして働いて、空腹になった時に食べるようにすれば、どんな料理でもとてもおいしく感じられる。また、空腹を感じる時間が1日のうちで最も長い人のほうが、病気にかかりにくいとも言われている。だから、料理の道具は、働いている間においしい料理が出来上がるダッチオーブンがおすすめだ。素材のうまみを引き出し、幅広い料理方法に利用できるのでとても便利。空腹をバロメーターにして、自然の食材を使った料理による食生活をすれば、正しい自然暮らしを過ごすことができる。

DIY的キャンプ「料理をする」の商品は くらしのeショップ楽天店 DIY的キャンプ「料理をする」の商品は くらしのeショップヤフー店

DIY的キャンプ その3 火をおこす

自然暮らしではどんなところやどんな状況でも火をおこし、火をコントロールする技術を身に着けることが必要である。
それが人間本来の能力を取り戻すことにつながるからだ。

火をおこすことができれば 生きていける自信が身に着く

人類が火と出会わなければ、今日の発展はなかった。火と出会い、創意工夫をして生活を向上させてきた原点が、火をおこし、コントロールすることである。火と刃物を扱えるかどうかが人間と猿との違いだが、残念ながら現代人のほとんどの人は、マッチと木を使って火をおこすことができない。しかし、自然暮らしでは火をおこすことができなければ、ご飯を食べることすらできないのだ。私が子供の頃、父親から山で仕事をしている時によく聞いた言葉に「火をおこす段取りを見れば、その人の仕事ぶりが分かる」というのがある。すべては段取りが重要で、これはどんな仕事にも当てはまることだと思う。
私は深い森の中でたった一人の夜を迎えたことが何度もある。夕闇が迫って周囲が漆黒の闇に包まれる頃になると、本能的に怖いという気持ちがわいてくる。しかし、火をおこしてたき火をすると、その怖れは払拭され、やがて森の自然に包まれて気持ち良く過ごすことができるのだ。それは、火をおこすことができれば、安心して生きていけるという自信が身に着くからである。どんなところでも火をおこすことができるということは、自分の身一つで生きていけることの証明なのである。といっても、原始的な火打石や木の摩擦で火をおこさなければいけないと言っているわけではない。今では火をおこすための便利な道具もあるし、慣れない人は炭を使っても良い。とにかく体験して、火をおこし、コントロールする術を身に着けることが大切なのだ。

DIY的キャンプ「火をおこす」の商品は くらしのeショップ楽天店 DIY的キャンプ「火をおこす」の商品は くらしのeショップヤフー店

DIY的キャンプ その4 物を運ぶ

ログハウスをはじめ、様々な物を作ってきた私にとって、物を運ぶことは普段の生活の中では当たり前の行為だ。だから、その手段となる台車を選ぶのにも私なりのこだわりがある。

物を運ぶという行為は 自然暮らしに不可欠である

自然暮らしにおいて、物を運ぶ行為そのものや、そのための道具である台車が話題になることはあまりない。意外と多くの人が当たり前の行為と捉え、台車の存在を忘れてしまっているからである。しかし、自然の中には車では入っていけないところもあるし、ダッチオーブンやテントは重たくて手で運ぶのには距離に限界がある。火をおこすための薪や食材だって運ばなければいけない。台車なくして、自然暮らしは成り立たないと言っても良いだろう。
だから、私の家には様々なサイズの台車があり、状況に応じて使い分けているのだ。車にも常備しており、思いがけないシーンで活躍することだって少なくない。
台車を選ぶポイントは、走破性と静粛性だろう。自然の中で使うものだから、未舗装のところを問題なく走らせることができなければいけない。そして、その際に騒音がなるべく生じないことも重要な要素だ。普段は話題になることが少ない、こんな道具にこだわってみるのも自然暮らしを楽しむコツと言える。

DIY的キャンプ「物を運ぶ」の商品は くらしのeショップ楽天店 DIY的キャンプ「物を運ぶ」の商品は くらしのeショップヤフー店

自然暮らしとは自然の摂理に従うこと 欲望にこだわらないで生きていきたい

芸能界きってのアウトドア派として知られる清水国明さん。
ログハウス作りをはじめとした様々な自然体験を経て、現在は山梨県にある河口湖の近くに住まいを構え、
自然暮らしを実践しています。
そんな清水さんに“人間にとっての自然暮らしとは何か?”を話していただきました。

自然の中で暮らすことで本来の心と身体を取り戻せる

現代人のストレスは、人間にもとより備わっている能力を発揮させる出番がないために生じるのではないだろうか。日常生活でイライラしたり、不安になったりするのは、何かのやりすぎではなく、身体の中で使っていない部分があるからに違いない。自然の中にいれば、「暑い、寒い、痛い、臭い」といったプレッシャーに直面し、人間の身体はそれらに対応するための能力を発揮するようになっているのだが、快適な都会暮らしではそんな能力の出番がないというわけだ。そんな時こそ、自然の中に入っていくと良い。さまざまな不便を感じ、汗をかいたり、歯を食いしばったりして目一杯の能力を使うことで、ストレスを発散することができる。こんな経験をすると、誰もが自分自身の心と身体を取り戻し、自分の中で眠っていた全く新しい自分を発見することだってできる。それだけ、自然暮らしやアウトドア、キャンプは、人間にとって不可欠なものなのだ。

必要なものは自ら作る“HaveからDoへ”の提案

これまで自然暮らしを続けてきて分かったことがある。それは「必要なものは作ることができる。作ることができないものは必要ないもの」という考え方だ。長く都会暮らしをしていると、お金があれば何でも手に入り、所有することが大事だという感覚が身に着いてしまう。そんな社会では、より多くの、より良いものを所有することにしか価値を見出すことができなくなるが、自然暮らしはこんな考え方とは対極にあると言っていいだろう。消費社会の価値観を捨て、生活に必要な住居や食料、道具などを自ら作り出すライフスタイルが自然暮らしなのである。所有することを競うのではなく、欲しいものは自分で作る。作ることができないものは、自分の生活に必要のないものとして、なくても可能な生活に切り替える。それは、“Have(持つ)からDo(作る)へ”の提案。お金持ちでないと幸せになれないという考えから解放してくれる。それが自然暮らしなのだ。

心と身体の健康を取り戻すために清水さんはこんな活動を行っています

数多くの自然体験を持つ清水さんは、1995年にアウトドアの全国ネットワーク「自然暮らしの会」を結成して以来、様々な活動に取り組んでいます。
自然との触れ合いを通じて、人間本来の機能を目覚めさせることをテーマにした、代表的な取り組みをご紹介します。

森と湖の楽園

2005年に河口湖近くの森の中に造られた「森と湖の楽園」。
1万坪の敷地の中で自然暮らしを体験できるアウトドアテーマパークです。

広大な自然の中には、アスレチックやキャンプサイト、バンガロー、トレッキングコースなどが点在。ここでは遊園地のようなサービスが提供されるわけではなく、自分の楽しみ方を自分で見つけて体験することが特徴になっています。例えば、森の中に張り巡らされた木製のスロープ「森の回廊」は、高さ4mのところに作られていて、鳥の目線で森林浴を楽しめるというもの。途中には休憩するためのベンチや小屋があって、時には立ち止まって森や野鳥を観察するなど、自分の思うように自然と触れ合うことができます。
他にもMTBをレンタルして敷地内を走ったり、池でニジマスを釣ったり、ダッチオーブンで料理をしたり、楽しみ方は自由自在。さらに、富士山が見える絶好のロケーションで有機農業が体験できる「LOHASな畑」もあり、まさに自然と触れ合っているうちに心と身体の健康を取り戻せる自然のテーマパークなのです。

森と湖の楽園ホームページ http://www.workshopresort.com/

清水国明の自然暮らし検定

アウトドアに関する著作も多数ある清水さん。
中でも昨年刊行され、自然暮らしの入門書として書かれた本が注目を集めています。

清水国明の自然暮らし検定
発行:学習研究社

自然暮らし検定とは、自然の中で暮らすために必要な生活術を知識と実践の両面で身に着けてもらい、知識・技量・経験に合わせてライセンスを発行するもの。文部科学省許可財団法人日本余暇文化振興会が監修・認定を行っています。その入門書となる「清水国明の自然暮らし検定」には、清水さん流の知恵がぎっしり。たき火、料理、キャンプ、釣りなどに関する知識やハウツーはもちろん、自然暮らしに関する清水さんの考え方もしっかりと紹介されています。巻末には自然暮らし検定2級を受験できるはがきが付いています。